2005年 10月 01日
仕事でとある建築家さんと都内建築めぐりツアーをしてきました。 ■坂茂「羽根木の森」 世田谷の住宅地に佇む集合住宅。もともとの森をのこして、建物を建てるというコンセプト。 1Fはピロティで、各住戸のエントランスと小さな部屋のみがあり、2、3Fには住戸のメインスペースという構成。建物には多くの穴(ヴォイド)があいていて木が貫通しています。そこから光も入ってきて、1階部分は結構気持ちのいい空間。1F部分の各住戸のエントランス部分にはミラーガラスになっていて、まわりの緑を映し出して、ビロティという人工物の感じや狭い感じが全くなく、地面もオガクズをまいたように柔らかく、ホントに森を歩いているような感覚になります。じっさいクリエーターの人が1Fの小さな部屋で仕事をしていましたが、静かな森の中で仕事をしているような、落ち着きそうな雰囲気でハマってました。 ■長谷川逸子「SN ハウス」 こちらは↑に比べると都市型集合住宅。がちっと高密に積み重ねたヴォリュームの中心部に2×2mくらいの吹き抜け+共用部がばっちり生きてます。 吹き抜け回りにぐるぐるっと階段が巻付いて、そこから各住戸へのアルコープが出て、エントランスという明快な構成。アルコープの奥行きの深さもよく、仕上げも階段部と変えており、占有感があるかんじ。そのせいか住人は思い思いにアルコープにモノをおいていて、住人のライフスタイルがかいま見れてよかった。 ■泉幸甫「アパートメント傳」 泉幸甫さんという建築家を僕は初めて知ったのですが、結構有名みたい・・・。勉強不足でした。この「アパートメント傳」は3棟の建物が中庭とそこへのアプローチを形成するように配置されている。一見古めかしいとおもえる外壁の仕上げは土壁みたいな質感で、なにかいろんな天然素材を練り込んでいる。中庭の緑との対比が美しい。全体的にノスタルジックな雰囲気でキリコの絵を思い出してみたり・・・・。 さらに中庭に面してカフェがあるのですが、そのカフェの壁面には丸い小さなガラス塊がうめこまれており、内部に入ると、外部との空間のギャップと演出におおっ!と感動。こし壁に鮮やかな色を使っていたり・・・ニクいです。 すべてにおいてスケール感が抜群で、肩肘張らず、とても落ち着く空間でした。この建築家要チェックやで〜。 ■内藤寛「ちひろ美術館」 画家、いわさきちひろの美術館。生涯子供の絵を書き続けたそうな。水墨画のような絵の具使いでみずみずしい、やさしい絵です。 さて、建築ですが、事前にみた図面の印象では複雑なトンガッタ形のヴォリュームが複数敷地におかれており、絵の印象とのギャップが否めなかったのですが、実際に訪れてみると以外にも、いいじゃないですか!住宅的なスケール感におちつきます。図面からは複雑そうに見える内部空間も、いがいに明快だし。建物の余白としての庭もいいスケール感。素材もいい感じ。 絵をながめながら、なんかずっと佇んでいたくなります。図書室では子供がいわさきちひろの絵本を一生懸命読んでいたりして、やさしい気持ちになる系でした。 いわさきちひろのグッズも販売しているし、カフェもあるし、デートに最適ですよ〜。大人は入場料800円、高校生以下無料なり。
by ktj518
| 2005-10-01 13:59
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